「イブニングおおつ金曜日」大津の町家を考える会の雨森さん(5月31日)
FMおおつ 「イブニングおおつ金曜日」(5月31日)
この日(5月31日)のゲストは「大津の町家を考える会」の雨森鼎(あめもりかなえ)さん。
大津の町家を考える会は、1997年7月にスタートした市民活動グループ。発足からもう21年を迎えようとしている。
大津のまちなかにもたくさんの町家があるのだが、時代の流れというか、それが次々と取り壊されて駐車場になったりマンションなどに建て替わる。そんな状況に危機感を覚えたお二人の声かけによって、会は発足した。
私も当初からの会員で、発足時の苦労話、百町館オープンの経過や現在の状況、6月に開催する萬塾のことなどについて、雨森さんとお話させていただいた。
会が発足してからしばらくは、町家の存在をもっとアピールしていこうということで、町家マップの作成や「大津百町物語」(サンライズ出版)の発行、フォーラムの開催などに取り組んだ。市民の力でいろいろと取り組んだのだが、町家がつぶれていく状況に変わりはない。
当時会長を務められていた青山菖子さんは、「私たちは考えているばかりの会です」と、自嘲気味によく口にされていた。そんなこともあって、考えるばかりでなく、会として町家の保全に直接取り組めないか、という話が起こった。そこから、10年近く空き家になっていた町家を見つけ出し、その町家を家主さんからお借りし、市民参加型で掃除や改修などに取り組み、2001年6月9日に「まちづくり大津百町館」としてオープンさせた。
百町館を会場にして何かやろう、ということで「十一の夜話会」の開催を始めた。大津祭の宵宮には、中庭をライトアップして、町家の雰囲気を体験してもらっている。大津市内外の小学校3年生が総合学習の授業の一環として、毎年、百町館を訪れてくれている。さまざまな団体が百町館を会場に、会合やイベントなどを開催してくれている。そして、各地から多数の方々が百町館を訪れ、見学されていく。大津で実際の町家を見学できるのは、この百町館だけではないかと思う。
雨森さんがメインになって取り組んでいる会報「大津百町瓦版」の発行や、毎年実施している「萬塾(よろずじゅく)」のこともお話いただいた。
20年以上も前に、市民が町家という存在とその価値に注目し、百町館をオープンさせ、今日まで運営してきたことは大いに評価されていいのではないか。最後はそんな、少々手前味噌のような話で放送を終えた。
私自身についていうと、町家の会の取り組みに参加するなかから、「考えたり、言ったり」するだけでなく、「汗を流す」ことの必要性と大切さ、そしてその楽しさ(もちろん苦しさもありますが)を、身をもって学んだように思っている。
(百町館は現在、一般財団法人大津歴史的建造物保存会は所有し、大津の町家を考える会が管理・運営を担っている)
今日の放送でも、話に夢中になってしまい、2曲飛ばしてしまいました。お許しを。
萬塾ですが、6月10日、24日、30日の3回開催されます。10日と24日は大津絵の話、30日は坂本にある「美濃邊鬼瓦工房」の現地見学です。ご関心がございましたら、是非ともご参加ください。私としては、この鬼瓦工房の見学には是非とも参加したいのですが・・・。
連絡先はまちづくり大津百町館 (TEL/FAX 077-527-3636)です。
(イブニングおおつ金曜日パーソナリティ、森川稔)