「FM OTSU ENGLISH HOUR」の第44回再放送 Daydream Believer – The Monkees(6月21日放送)テキスト

第44回放送再放041324Daydream Believer – The Monkees
(デイドリーム・ビリーバー)
from the album The Birds, The Bees & The Monkees
Released on October 25, 1967
Genre Rock
Length 2:54
Label Colgems #1012
Songwriter(s) John Stewart
Producer(s) Chip Douglas
■ポイント
原曲も、そして忌野清志郎による「あの訳詞」もいくつものCFで取り上げられ話題の “Daydream Believer” by the Monkees (邦題:デイドリーム・ビリーバー)をお送りします。歌詞は平易で明確ですが、その解釈は日本語圏、英語圏で大きく分かれる部分があります。ぜひお楽しみください。
I am a little bit nervous to talk about today’s song “Daydream Believer” by the Monkees because its lyrics can be taken in various manner though they are so plain in the expression and my translation would be controversial. Anyway, let’s listen to, think of, and enjoy the song.
■キーフレーズ
Think of 〜 as 〜
〜を〜だと考える
■キーフレーズの用例
You once thought of me as a white knight on his steed.
君は、僕のことを馬に乗った白い騎士と考えていたよね。(lyrics)
He thought of himself as a genius.
自分が天才だと考えた。(研究社新英和大辞典)
He thought of her as a daughter.
彼女のことを娘のように考えていた。(研究社新英和大辞典)
I don’t think much of him as a scholar.
彼が学者として大したものだとは思わない。
★much を伴う場合は通例否定文(研究社新英和大辞典)
I believe we have to start thinking of our bodies and brains as systems, and learn to see hormonal change as one part of a much broader process of adaptation.
私たちは私たちの体と脳をシステムとして考え始め、ホルモンの変化をはるかに広範な適応プロセスの一部としてとらえることを学ぶ必要があると思います。(オックスフォード新英英辞典)
■歌詞 Lyrics
[Verse 1]
Oh, I could hide ‘neath the wings
その羽の下に隠れられたらいいのに(注1)(注2)
Of the bluebird as she sings
さえずる青い小鳥の羽の下に(注3)
The six o’clock alarm would never ring
6時の目覚ましは鳴らなければいいのに(注4)
But it rings and I rise
でも時計は鳴り、僕は起きる
Wipe the sleep out of my eyes
眠い目をこする
My shavin’ razor’s cold and it stings.
カミソリの刃は冷たくて、ピリッとする
[Chorus]
Cheer up, sleepy Jean
元気に行こう、まだ眠たいジーン(注5)
Oh, what can it mean
これからどうなっていくと思う?(注6)
To a daydream believer
この幸せなデイドリーム・ビリーバーの僕と
And the homecoming queen
同窓会の女王の君にとって(注7)
[Verse 2]
You once thought of me
いつか君が思い描いいていた僕は(注8)
As a white knight on his steed
馬にまたがった白い騎士(注9)
Now you know how happy I can be
そして今、ほら、僕はその騎士になれて幸せ(注10)
Oh, and our good time starts and ends
二人の素敵な時間は始まりから終わりまで(注11)
Without dollar one to spend.
1ドルもかからない。
But how much, baby, do we really need
でも、ベイビー、実際はどのくらい必要なのかな
[Chorus]
Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And the homecoming queen
元気に行こう、まだ眠たいジーン
これからどうなっていくと思う?
この幸せなデイドリーム・ビリーバーの僕と
同窓会の女王の君にとって
[Chorus]
Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And the homecoming queen
元気に行こう、まだ眠たいジーン
これからどうなっていくと思う?
この幸せなデイドリーム・ビリーバーの僕と
同窓会の女王の君にとって
[Instrumental interlude]
[Chorus]
Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And the homecoming queen
元気に行こう、まだ眠たいジーン
これからどうなっていくと思う?
この幸せなデイドリーム・ビリーバーの僕と
同窓会の女王の君にとって
[Chorus (Repeat and fade)]
Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And the homecoming queen
元気に行こう、まだ眠たいジーン
これからどうなっていくと思う?
この幸せなデイドリーム・ビリーバーの僕と
同窓会の女王の君にとって
■補足説明
(注1)Oh, I could hide
I could hide は「もし隠れることができるなら」という願望を表しています。
(注2)’neath the wings
‘neath は、beneath の省略
(注3)as she sings
as she sings の”she” は、the bluebird(青い小鳥)と解釈しています。
(注4)The six o’clock alarm would never ring
would never ring は「鳴らなければいいのに」という願望を表しています。
(注5)Cheer up, sleepy Jean
Jean (dzi:n) は、女性のジーンと解釈しています。ちなみに同じ綴りで男性もあり得ます。
Jean is a common female given name in English-speaking countries. It is the Scottish form of Jane (and is sometimes pronounced that way). It is sometimes spelled Jeaine. It is the equivalent of Johanna, Joanna, Joanne, Jeanne, Jana, and Joan.
https://en.wikipedia.org/wiki/Jean_(female_given_name)
On the European continent and in all French-speaking countries, Jean (French: [ʒɑ̃]), is a male name derived from the Old French Jehan. The female equivalent is Jeanne (French: [ʒan]) and derives from the Old French Jehanne.
https://en.wikipedia.org/wiki/Jean_(male_given_name)
(注6)Oh, what can it mean
mean は「結果をもたらす」、it は「一般的な漠然とした事情等を示す(研究社新英和大辞典より)」と解釈しています。
(注7)And the homecoming queen
homecoming は「《米》(大学などで年1度の)同窓会の」を指す形容詞。
(注8)You once thought of me
think of me as ~ は「私を~と考える」
(注9)As a white knight on his steed
steed は「乗用の馬」という意味で、白色とは限りません。ただし、一般的には「白馬の騎士」というイメージです。
(注10)Now you know how happy I can be
I can be は、前の節の a white knight on his steed に成れた、という意味。
(注11)Oh, and our good time starts and ends
good time starts and ends は「二人の素敵な時間が始まり、終わる」という意味ですが、次の節で “Without dollar one to spend(1ドルも使わずに)”と続くので、「始まりから終わりまで」としました。
■リードボーカルのデイビー・ジョーンズの最初の印象は「不快」?
演奏は、デイビー・ジョーンズがリード・ボーカルを、マイク・ネスミスがリード・ギターを、ピーター・トークがピアノを、そしてミッキー・ドレンツがバック・ボーカルを担当し、ジャズ・トランペッターのショーティ・ロジャーズ(Shorty Rogers) がアレンジを行った。リードボーカルのデイビー・ジョーンズは最初この曲に可能性を感じることができず、録音時は不快な感情のままで歌っていたと、後に認めている。しかし、この曲がヒットしたため、ジョーンズの感情も変わっていった模様。
■メンバーはオーディション形式で選抜
1964年、イギリス本国とアメリカ国内におけるビートルズの過熱ぶりを目の当たりにしたスクリーン・ジェムス・コロンビアのバート・シュナイダーとボブ・ラフェルソンは、アメリカ国内でもスターグループを生み出そうと、ビートルズ主演の『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』をヒントに同様のテレビ番組を制作することを思いつく。
オーディションによりグループが結成され、テレビ番組『ザ・モンキーズ・ショー』とレコード販売を連動するという当時としては珍しいメディアミックス戦略をとった。
■Monkees メンバー
デイビー・ジョーンズ: (Davy Jones、本名:David Thomas Jones、1945年12月30日 – 2012年2月29日[1]) – ウェールズ系 (ボーカル/マラカス/タンバリン/パーカッション)
ミッキー・ドレンツ: (Micky Dolenz、本名:George Michael Dolenz,Jr、1945年3月8日 -) – スロヴェニア系 (ボーカル/ドラムス)
マイク・ネスミス: (Mike Nesmith、本名:Robert Michael Nesmith,1942年12月30日 -) – アイルランド系(ボーカル/ギター)
ピーター・トーク: (Peter Tork、本名:Peter Halsten Thorkelson、1942年2月13日 – 2019年2月21日[2]) – ドイツ系 (ボーカル/ベース/オルガン)
■日本でのヒット
日本でも1980年(昭和55年)、コダックのCMに「デイドリーム(デイドリーム・ビリーバー)」が採用され、TBSでも『ザ・モンキーズ・ショー』が再放送されるなどリバイバルブームが起こり、日本では公開されていなかった映画『HEAD』(1968年)の公開、マイク・ネスミスを除くメンバーがそれぞれ単独で来日するといったムーブメントを巻き起こした、との情報もあります。
■忌野清志郎の「デイ・ドリーム・ビリーバー」
デイ・ドリーム・ビリーバー ~Day Dream Believer~ 歌詞
歌:ザ・タイマーズ
作詞:ジョン・スチュアート
日本語詞:ゼリー(忌野清志郎)
作曲:ジョン・スチュアート
【歌詞】
もう今は 彼女はどこにもいない
朝はやく 目覚しがなっても
そういつも 彼女とくらしてきたよ
ケンカしたり 仲直りしたり
ずっと夢を見て 安心してた
僕は Day Dream Believer そんで
彼女はクイーン
でもそれは 遠い遠い思い出
日がくれて テーブルにすわっても
Ah 今は彼女 写真の中で
やさしい目で 僕に微笑む
ずっと夢を見て 幸せだったな
僕は Day Dream Believer そんで
彼女はクイーン
(以降繰り返し)
一見「別れた恋人」へ向けた歌詞にも思える。しかしこれは会うことのできなかった「実の母」への思いを綴った歌詞なのだ。清志郎が母だと思っていた女性と死別した際、それが本当は母の姉つまり継母であり、実母は清志郎が3歳のときに亡くなっていたことを知らされる。ふたりの「母」の死と向き合いながら、一度も会うことのできなかった実母への行き場のない思いを込めた、と解説するサイトもあります。
以下のCF(Commercial Film)で登場、とのこと。
・エースコック「スーパーカップ」CF曲(1989年)
・サントリー「サントリーモルツ」CF曲(2006年)
・セブンイレブン CF曲(2011年 – )
■Who is Jean?(ジーン、って誰?)
この歌詞を解説する日本語サイト6つのうち3つでは Jean は「主人公自身、つまり男性に朝のエールを送っている」と解説、2つでは「将来を約束している、新婚の間柄での朝のようす」と解説、1つは「ねぼすけジーン」と訳のみ掲出しています。
一方英文サイト3つではQuora を含めて「将来を約束しているか、すでに新婚で同居」と解説していますが、Jean が女性か男性かは解説していません。が、文脈からして暗黙に女性と解釈していると思います。