FM OTSU ENGLISH HOUR」第41回「World in Union – PJ Powers and Ladysmith Black Mambazo」(3月23日放送)テキスト
第41回放再放送 World in Union – PJ Powers and Ladysmith Black Mambazo
Released 1995 for The 1995 Rugby World Cup in South Africa
Genre Folk, World, & Country, Stage & Screen
Length 3:50
Label Festival Records – D 1057
Songwriter(s) Gustav Holst, Charlie Skarbek
■ポイント
2019年ワールドカップラグビー優勝の南アフリカ共和国の代名詞ともいえる、 PJ Powers と the Ladysmith Black Mambazo(レディ・スミス・ブラック・マンバーゾ)が歌う素敵な World in Union をお楽しみください。
Let’s enjoy the Rugby World Cup Anthem, World in Union sung by PJ Powers and the Ladysmith Black Mambazo with its fantastic rhythm.
■キーフレーズ
As ~, ~ has ~(過去分詞)
~するとき/なので、~した/となった。
■キーフレーズの用例
As we climb to reach our destiny, a new age has begun.
みんなの運命に向かって登ろうとするとき、新しい時代が始まった。
As the cake is so lovely, she has smiled with delight.
ケーキがとても素敵なので、彼女は喜んで微笑みました。
As the teacher suggests an exam suddenly, the students have got silence.
先生が突然試験を提案するので、生徒たちは静かになりました。
As he wants to contribute to the community, his friends have gathered to help him.
彼はコミュニティに貢献したいので、友人が集まりました。
■歌詞
There’s a dream, I feel
そこにある夢に、私が感じていることは
So rare, so real
とても素晴らしいもので、まさに本当のもの(注1)
All the world in union
世界が団結して
The world as one
ひとつになること
Gathering together
一緒に集まって
One mind, one heart
ひとつの気持ち、ひとつの心
Every creed, every colour
あらゆる信条、それぞれの肌の色、
Once joined, never apart
ひとたび一緒になって、二度と分かれない
Searching for the best in me
自分のなかのベストを求め
I will find what I can be
なれる自分を必ず見つける
If I win, lose or draw
勝っても、負けても、引き分けても
There’s a winner in us all
勝者はみんなのなかにいる(注2)
It’s the world in union
世界が団結して
The world as one
ひとつになること
As we climb to reach our destiny
みんなの運命に向かって登るのだから(注3)
A new age has begun
新しい時代がまさに始まった(注4)
We may face high mountains
高い山々に立ち向かうかもしれないし(注5)
Must cross rough seas
荒海を渡らなければならない
We must take our place in history
我々は歴史の中にあって(注6)
And live with dignity
尊厳とともに生きなければならない
Just to be the best I can
自分にとって最高の自分になること
That’s the goal for every man
それがひとりひとりの目指すこと
If I win, lose or draw
勝っても、負けても、引き分けても
It’s a victory for all
それはみんなにとっての勝利
It’s the world in union
世界が団結して
The world as one
ひとつになること
As we climb to reach our destiny
みんなの運命にたどりつき
A new age has begun
新しい時代が始まった
It’s the world
それは世界が
The world in union
世界が団結して
A new age has begun
新しい時代が始まった
■補足説明
(注1)So rare, so real
rare は「めったにない」「非常にすぐれた(口語)」「(空気などが)希薄な」などの意味があります。real には「実在する、実際の」「本物の」「(経済)実質の」「真に迫る」などの意味があります。
(注2)There’s a winner in us all
この部分は “It’s a victory for all” と歌う年もありました。これまでのWorld Cup Rugby Anthem でのこの部分の「歴史」は以下のとおり。
“There’s a winner in us all”
Kiri te Kanawa in 1991 England, Scotland, Wales, Ireland and France
“There’s a winner in us all”
PJ Powers in 1995 South Africa
“It’s a victory for all”
Shirley Bassey and Bryn Terfel in 1999 Wales
“There’s a winner in us all”
Various Artists in 2003 Australia
“It’s a victory for all”
Various Artists in 2007 France
“There’s a winner in us all”
Hayley Westenra in 2011 New Zealand
“There’s a winner in us all”
Paloma Faith in 2015 England
“There’s a winner in us all”
Kiyoe Yoshioka in 2019 Japan
(注3)As we climb to reach our destiny
“destiny” は「運命」という意味です。「世界がひとつになる」とは我々の「運命」であり、それに向かって登っていこうという意思表示と解釈しています。
(注4)A new age has begun
前の節では “As we climb to reach our destiny”(現在形)つまり「我々の運命に向けて登っていく」という意思表示をするのだから、”A new age has begun”つまり「新しい時代がまさに始まった」と現在完了の節と解釈しています。
(注5)We may face high mountains
“high mountains”(高い山々)とは、以前の節で”we climb”(登る)と意思表示した目的は「高い山々」として我々の前にそびえるかもしれない、という意味と解釈しています。
(注6)We must take our place in history
“take one’s place”には「(社会などで自らの)認められた居場所を確保する」という意味があります。
■Rugby World Cup Anthem(ラグビーワールドカップ国歌) の背景
1991年ラグビーワールドカップはイングランド、イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランスが共同主催した2回目のワールドカップです。前回1987年(ニュージーランドで開催)が成功裏に閉幕したことを受け、予選参加国も33か国に一気に増え(本選プールは16チームのみ)ました。
IRB(The International Rugby Board, 当時。現在のWorld Rugby)はスプリングボックス(Springboks, 南アフリカ)をアパルトヘイトを理由に参加させなかったものの、ラグビー協会としての文化である国際友好を表現する The Rugby World Cup Anthem (ラグビーワールドカップ国歌)を作りました。
初回リリースとなった1991年の大会ではニュージーランドの Dame Kiri te Kanawa(キリ・テ・カナワ)が歌いました。
■PJ Powers (ピージェー・パワーズ)
PJ Powers は、音楽アーティストのPenelope Jane Dunlop(ペネロペ・ジェーン・ダンロップ、1960年7月16日、南アフリカ、クワズールナタールのダーバン生まれ)の舞台名です。 彼女はドン・クラークの歌「サンボナーニ」で全国ラジオでコンテストで優勝し、国内で一躍有名になりました。1995年にthe Ladysmith Black Mambazo(レディ・スミス・ブラック・マンバーゾ)とともにワールドカップで歌ったワールド・イン・ユニオンは、英国でチャート(シングルチャートで47位)に登場し、国際的なヒットとなりました。
反アパルトヘイト活動で有名、との情報もある模様です。
PJ Powers is the stage name of the music artist Penelope Jane Dunlop (born 16 July 1960 in Durban, KwaZulu-Natal, South Africa). She became a household name at home after winning a song competition on national radio with her version of the Don Clarke song, Sanbonani. The final stage of the song competition was televised, bringing P J Powers to the attention of the wider South African public. Sanbonani was a hit record at home. Featuring on the Ladysmith Black Mambazo recording of World in Union in 1995 provided an international hit when it charted in the UK (no 47 on the singles charts).
She is well known for her anti-apartheid activism.
■Ladysmith Black Mambazo(レディスミス・ブラック・マンバーゾ)
レディスミス・ブラック・マンバーゾは、イシカタミヤとムベベ(isicathamiya and mbube)の地元のボーカルスタイルで歌う南アフリカの男性合唱団です。 1986年のアルバムGracelandでポールサイモンと歌った後、国際的に知られるようになり、多数の受賞歴があり、そのなかで第5回グラミー賞を故ネルソン・マンデラ大統領に捧げました。
1960年にジョセフ・シャバララ(Joseph Shabalala)によって結成され、レコードも多数あり、栄誉も多数受けています。アフリカの土着のイシカタミヤ音楽を通じて、南アフリカの文化遺産のモバイルアカデミーになりました。
Ladysmith Black Mambazo is a South African male choral group singing in the local vocal styles of isicathamiya and mbube. They became known internationally after singing with Paul Simon on his 1986 album Graceland, and have won multiple awards, including five Grammy Awards, dedicating their fifth Grammy to the late former President Nelson Mandela.
Formed by Joseph Shabalala in 1960, Ladysmith Black Mambazo became one of South Africa’s most prolific recording artists, with their releases receiving gold and platinum disc honours. The group became a mobile academ] of South African cultural heritage through their African indigenous isicathamiya music.
■作曲家 Gustav Holst(グスタブ・ホルスト)
イギリス人作曲家。1874年~1934年。オーケストラ組曲「惑星(The Planets)」として有名なメロディーですが、英国で歌われている讃美歌「サクステッド(Thaxted; O God beyond all praising)」のメロディーとしても親しまれています。因みに、Thaxted は町の名前です。
また、Thaxted(サクステッド)は讃美歌として、日本聖公会聖歌集532番唱「救いの火を灯し」、福音讃美歌245番「御名をほめたたえる歌声より」に収められています。日本基督教団讃美歌(第二編にも)にはありません。
■作詞家 Charlie Skarbek(チャーリー・スカーベック)
1953年生まれの歌手、プロデューサー、作曲家、作詞家で、World Rugby に依頼され、World in Union を作詞しました。
スポーツイベント向けの楽曲を作ることが多い模様です。現代詞を、クラシック曲や讃美歌のメロディーに充てことを得意としていますが、純粋を好む人からは嫌悪されています。
■1995 Rugby World Cup
南アフリカ共和国で開催され、自らが初優勝しました。
マンデラ大統領(President Nelson Mandela)の命を受けて白人キャプテンフランソワ・ピーナー(Francois Pienaar)が幾多の困難、無理解、非難を乗り越え、チームをまとめ、優勝に導きました。
決勝戦(南アフリカ vs ニュージーランド)のノーサイドの会場では、本日の楽曲(PJ Powers and Ladysmith Black Mambazoが歌う曲)が流れ、マンデラ大統領自ら満面の笑顔で優勝カップ(The Webb Ellis Cup)をピーナー キャプテンに渡しています。
その様子が、後日(2009年)クリントイーストウッド監督の映画 Invictus(インビクタス/負けざる者たち)で描かれています。映画中でも今日の曲(PJ Powers)が流れますが、サウンドトラック版は Yollandi Nortjie が歌っています。
■Invictus(2009年のアメリカ映画)
(邦題)インビクタス/負けざる者たち(日本公開は2010年)
監督 クリント・イーストウッド
脚本 アンソニー・ペッカム
原作 ジョン・カーリン
製作 ロリー・マクレアリー
ロバート・ロレンツ
メイス・ニューフェルド
クリント・イーストウッド
製作総指揮 モーガン・フリーマン
ティム・ムーア
ゲイリー・バーバー
ロジャー・バーンボーム
出演者 モーガン・フリーマン(マンデラ大統領)
マット・デイモン(キャプテン フランソワ・ピーナー)
音楽 カイル・イーストウッド
マイケル・スティーヴンス
撮影 トム・スターン
編集 ジョエル・コックス
ゲイリー・D・ローチ(英語版)
制作会社 スパイグラス・エンターテインメント
配給 ワーナー・ブラザース
公開 アメリカ合衆国 2009年12月11日、日本 2010年2月5日
上映時間 132分
製作国 アメリカ合衆国、 南アフリカ共和国
言語 英語
製作費 $60,000,000[1]
興行収入 $122,233,971[1]