FM OTSU ENGLISH HOUR」第34回「Change the World – Eric Clapton」(2月10日放送)テキスト
「FM OTSU ENGLISH HOUR」の第34回再放送(2月10
日放送)テキスト
Change the World – Eric Clapton
チェンジ・ザ・ワールド
Released July 5, 1996
Length 3:54
Label Reprise
Songwriter(s) Tommy Sims, Gordon Kennedy, Wayne Kirkpatrick
Producer(s) Kenneth “Babyface” Edmonds
■ポイント
エリック・クラプトンが歌うChange the World(チェンジ・ザ・ワールド)は、映画 Phenomenon(邦題:フェノミナン 1996年)の挿入歌として多くの人の心に残っています。願望を表すcouldの仮定法過去形満載の歌詞と穏やかなメロディをお楽しみください。
Enjoy “Change the World” recorded by Eric Clapton for the 1996 film Phenomenon. The frequently appearing phrase “If I could” seems to reflect his thought at that time.
■キーフレーズ
If I could ~ I/you/it would ~
もし私が~できたら、~なるだろう/はず(実際はできていない)
■キーフレーズの用例
If I could shine a star on my heart, you would see the truth.
もし私の心の上で星を光らせたら、あなたは真実をみるだろう。
If I could be a king, I’d take you as my queen.
もし王様になれたら、あなたを女王にする。
If I could change the world, I would be the sunlight in your universe.
もし世界を変えることができたなら、あなたの宇宙の太陽になるだろう。
If I could get out of this place, I could be a movie star.
ここを出ていくことさえできたなら、俺は映画スターになれるはずなのに。(Billy Joel, Piano Man の一節)
■歌詞
[Verse 1]
If I could reach the stars(注1)
もし星に手が届いて
Pull one down for you(注1)
そのひとつを引き寄せて
Shine it on my heart(注1)
私の心の上で輝かせたら
So you could see the truth
そうすればあなたに真実を分かってもらえるはず
That this love I have inside
私のなかにある愛が(注2)
Is everything it seems
それがすべてらしい(注2)
But for now I find
でも今、私が分かっていることは
It’s only in my dreams
その愛がただ私の中にしかないということ
[Chorus]
And I can change the world
世界を変えられるはず(注3)
I will be the sunlight in your universe
あなたの世界の太陽になれるはず(注4)
You would think my love was really something good
あなたには、私の愛が素晴らしいものだと思ってくれるはず
Baby if I could change the world
もし私が世界を変えることができたら
[Verse 2]
If I could be king
もしも王様になれたら
Even for a day
ただ1日だけでも
I’d take you as my queen
あなたは私の女王で
I’d have it no other way
そうしてみたい、ぜひ
And our love would rule
そうすれば私たちの愛が支配してほしい
In this kingdom we have made
二人でつくったこの王国を
‘Til then I’d be a fool
そうなるまで、私は愚か者でいるしかない(注5)
Wishing for the day
その日をのぞみながら
[Chorus]
And I can change the world
世界を変えられるはず
I would be the sunlight in your universe
あなたの世界の太陽になれるはず
You would think my love was really something good
あなたには、私の愛が素晴らしいものだと思ってもらえるはず
Baby if I could change the world
もし世界を変えることができたなら
Baby if I could change the world
もし世界を変えることができたなら
[Chorus]
I could change the world
もし世界を変えることができたなら
I would be the sunlight in your universe
あなたの世界の太陽になれるのに
You would think my love was really something good
あなたには、私の愛が素晴らしいものだと思ってもらえるはず
Baby if I could change the world
もし世界を変えることができたなら
Baby if I could change the world
もし世界を変えることができたなら
Baby if I could change the world
もし世界を変えることができたなら
■補足説明
(注1)If I could reace, Pull…, Shine…
If I could reach the stars (もし星に手が届いて)<AND> Pull one down for you(そのひとつを引き寄せて)<AND> Shine it on my heart (私の心の上で輝かせたら)は、すべてAND>が省略されていて、全体として「もし、私が星に手が届き、そのひとつを引き寄せて、心の上で輝かせたら」という条件を示している文章、と解釈しました。
(注2)That … it seems
It seems that this love I have inside is everything (it that 構文)の順番が、メロディに合せて入れ替わっているもの、と解釈しました。
(注3)And I can change the world
それまでの If I could から一転して、現在形の can が使われています。If I can change the world の変形(If の省略)とも考えられますが、この歌詞は全体に「もし世界を変えることができたら…」という「できないかもしれないが、願望を示している」わけなので、その「世界を変える」を「できるはず」という希望的な意思表示と、解釈しました。
(注4)I will be the sunlight
ここも、would ではなく will が使われています。これも「できないかもしれないが、願望を示している」もので「自分も太陽になれるはず」と希望的な意思表示、と解釈しました。
(注5)I’d be a fool
I would be a fool (愚か者でいるだろう)を「甘んじて受け入れ」で「愚か者でいる以外にない」と、解釈しました。
■歌手クラプトンとしてプロデューサーへいくつかアドバイス
作曲家の1人トミー・シムズ(Tommy Sims)のデモを聞いたとき、ポール・マッカートニーが制作していると思ったほど。ポールを尊敬してるから、この曲を黒人音楽のジャンルに近づける必要を感じた。そして、本人も気づいていなかったかもしれないけど、この曲にブルースの要素を入れたプロデューサーの”ベビーフェイス”(Kenneth “Babyface” Edmonds)に、始まりの2小節に黒人グループのマディウォーターズの「マニッシュボーイ」(”Mannish Boy” by Muddy Waters)を参考にするように言った。参加する者の義務としてより良い制作に貢献できた。いずれにしてもこの曲は、明確な表現にはなっていないが、ブルースなんだ、ということは覚悟した。」2013年Mojoマガジンのインタビューに答えて。
In 2013, Clapton explained his take on the song in an interview with Mojo magazine: “When I heard Tommy Sims’ demo, I could hear Paul McCartney doing that, so I needed to, with greatest respect to Paul, take that and put it somewhere black. So I asked Babyface who, even though he may not be aware of it, gave it the blues thing. The first two lines I play on that song on the acoustic guitar are lines I quote wherever I can and they come from the beginning of “Mannish Boy” by Muddy Waters. On every record I make where I think, this has got a chance of doing well, I make sure I pay my dues on this. So I think I’ve found a way to do it, but it has to have one foot in the blues, even if its subtly disguised”.
■その他
映画 Phenomenon(邦題フェノミナン) では、平凡だった中年男が、念力で人や物を動かすようになるなかで真実を見つけ出すなど、不思議なラブストーリーです。この歌詞が「願望を表すcouldの仮定法過去形」が多用されているのも、わかるように思います。
加えて、リリースの5年前に愛息Conor Claptonの事故死など、作詞は本人ではないものの「もし~ができたなら」と願う気持ちは、当時の本人の心情に沿っているようにも思います。
■日本でのカバー
ケミストリー
平井堅