「FM OTSU ENGLISH HOUR」の第25回再放送「I Dreamed a Dream Susan Boyle 」12月9日放送テキスト
I Dreamed a Dream
夢破れて
歌 スーザン・ボイル
作曲 アラン・アルバート・ブブリル、クロード・ミシェル・シェーンベルク、ハーバート・クレッツマー、ジャン・マルク・ナテル
Susan Boyle
Songwriters: Alain Albert Boublil / Claude Michel Schonberg / Herbert Kretzmer / Jean Marc Natel
■ポイント
2009年英国オーディション番組ブリテンズ・ゴット・タレントで、やや冷笑気味の観衆、審査員を驚かせたスーザン・ボイルの「夢破れて」をお楽しみください。映画レミゼラブルでアン・ハサウェイが歌う歌詞と若干異なる、スーザン・ボイルの半生と聞こえないでもない歌詞を美しい歌声とともにお楽しみください。
Enjoy “I Dreamed a Dream” by Susan Boyle who shocked and rocked audience and judges at Britain’s Got Talent with the incredibly beautiful voice. The lyrics might describe her own life till then and are a little bit different from the one sung by Anne Hathaway in the film “Les Miserables”.
■キーフレーズ
I dreamed a dream
夢があった
■キーフレーズの用例
I dreamed a dream in time gone by.
過ぎ去ったあのころにはある夢を見ていた。
I dreamed that love would never die.
私が夢見たことは、愛は決して死なないこと。
And still I dream he’d come to me
彼がやがて来れたら、と今も夢見ている
I stil drean that we would live the years together
日々を共に過ごせたら、と夢見ている
■歌詞
(注1)
I dreamed a dream in time gone by
過ぎ去ったあのころにはある夢を見ていた(注2)
When hope was high and life worth living
あのころは希望は高く、生きることに意味があった
I dreamed that love would never die
私が夢見たことは、愛は決して死なないこと
I prayed that God would be forgiving
私が祈ったことは、神は寛容であること
Then I was young and unafraid
そして、私は若く怖いもの知らずだった
And dreams were made and used and wasted
やがて、夢は作られ、使われて、捨てられた
There was no ransom to be paid
払うべき代償は何もなかった(注3)
No song unsung, no wine untasted
すべての歌を歌い、すべてのワインを楽しんだ(注4)
But the tigers come at night
しかし、今は夜になると虎(とんでもないもの)がやってきて(注5)
With their voices soft as thunder
虎(とんでもないもの)は遠くから聞いている限り当たり障りがなく(注6)
As they tear your hopes apart
虎(とんでもないもの)は、人々の希望を引き裂き
And they turn your dreams to shame
そして、人々の夢を恥辱に変えていく
And still I dream he’d come to me
彼がやがて来れたら、と今も夢見ている(注7)
That we would live the years together
日々を共に過ごせたら、と夢見ている
But there are dreams that cannot be
でも、かなわない夢もある
And there are storms we cannot weather
やり過ごすことができない嵐もある
I had a dream my life would be
こうあってほしいと思う人生を夢見ていた(注8)
So different from this hell I’m living
今私が生きている地獄とは違う人生を(夢見ていた)
So different now from what it seemed
そうなるように見えた人生とは違う
Now life has killed the dream, I dreamed
今、人生が私が夢見た夢を殺した(注8)
■補足説明
(注1) 映画レミゼラブルのなかでファンティーン役のアン・ハサウェイが歌う歌詞は、以下の内容で始まります。明確に自らのそれまでの人生のなかで(複数の男性)との不本意な関係を述べていて、歌詞の中でやがて登場する「虎」を暗示しています。
There was a time when men were kind
When their voices were soft
And their words inviting
There was a time when love was blind
And the world was a song
And the song was exciting
here was a timeThen it all went wrong
(注2)I dreamed a dream
a dream とは、ひとつの「ある夢」を指しています。歌詞の中で、やがてそれが何だったのかが説明されていきます。
(注3)no ransom to be paid
「払うべき代償は何もなかった」 と訳しています。直前の歌詞での
And dreams were made and used and wasted や
No song unsung, no wine untasted
などの行動に対して、代償はなにもなかった、と解釈しています。
ただし、「それらをして過ごしてしまった時間を買い戻すための代償は、払おうにも払えない」との解釈もあります。
(注4)No song unsung, no wine untasted
「歌われなかった歌はない、味わわなかったワインはない」つまり「すべての歌を歌い、すべてのワインを楽しんだ」 となります。
(注5)the tigers
虎とはもちろん象徴的な表現です。映画のなかでアン・ハサウェイが歌う歌詞では、注1でも述べたように、物語のなかで登場する複数の男性を指すことは明確でしょうが、スーザンボイルはその部分を明示していないため、人生で避けて通れない「とんでもない問題」と解釈しました。
(注6)With their voices soft as thunder
「遠くから聞いている限り当たり障りがなく」 とは雷の音の様子を直訳的に訳しました。もう少し意訳すれば「とんでもない問題は、他人事と考えれば遠くでゴロゴ鳴っている程度の当たり障りのないものだが、いざ、自分事になるとまさに『とんでもないこと』になる」といえます。映画の中では、娼婦になりやがて息絶えるファンティーン(アン・ハサウェイ)が歌うこの歌の直前では、まわりの女性たちがあたかも陰口やゴシップを楽しんでいるようなシーンがあります。「他人事である限りは遠くの雷鳴」と解釈する人もいます。
(注7)And still I dream he’d come to me
he’d come to me は、he would come to me の略で、「実現しない未来」「願望」を表しています。「彼がやがて来れたら。。。」と叶わない夢を今も見ている、という意味です。
因みに、映画レミゼラブルのファンティーン(アン・ハサウェイ)は、And still I dream he’ll come to me. と、実現するかもしれない未来として夢見ています。
(注8)Now life has killed the dream, I dreamed
The Dream は今説明した「その夢」即ち「叶わないとわかっている、彼との人生」を指している、と解釈しています。このとんでもない人生が「その夢」を殺してしまった、と歌い終わっています。