FM OTSU ENGLISH HOUR」第36回「Last Christmas – Wham!」(12月3日放送)テキスト
「FM OTSU ENGLISH HOUR」の第36回目(12月3日放送)テキスト
Last Christmas – Wham!
(邦題)ラスト・クリスマス -ワム!
Single by Wham!
from the album Music from the Edge of Heaven
Released 3 December 1984
Recorded August 1984
Studio Advision, London
Genre Synth-pop, dance-pop, Christmas
Length 4:27
Label Columbia, Epic
Songwriter(s) George Michael
Producer(s) George Michael
■ポイント
今年は映画にもなっているクリスマスの定番ソング Last Christmas – Wham! をお聞きください。去年は彼女に見事に振られてしまった内気な少年。今年こそ “I’ll give it to someone special” – 「今年は、特別な誰かに渡す」と用意したクリスマスプレゼントの行き先は?
“Last Christmas, I gave my heart.. but you tore it apart. This year, I will give it to someone special…” Enjoy the pure boy’s love in Last Christmas by Wham!.
■キーフレーズ
give it to someone ~
~な誰かに~をあげる/捧げる/渡す
■キーフレーズの用例
I’ll give it to someone special.
僕は「特別な人」に捧げるつもりだ。
She gave the microphone to someone eager to talk.
彼女は最も話をしたがってる人にマイクを渡しました。
She gave the seat to someone needed there in the meeting.
彼女はその打合せに必要な人を招き入れた。
The manager gave it to someone inappropriate.
マネージャーは不適切な人にそれ(ポジション?)を与えました。
■Lyrics 歌詞
[Intro]
Ah, aha
Ooh, ohh
Ohh
[Chorus]
Last Christmas, I gave you my heart
去年のクリスマス、僕は君にハートを捧げた
But the very next day you gave it away
でも次の日、君はそれを捨て去った
This year, to save me from tears
今年は、泣かないように
I’ll give it to someone special
僕は「特別な人」に捧げるつもりだ(注1)
Last Christmas, I gave you my heart
去年のクリスマス、僕は君にハートを捧げた
But the very next day you gave it away (You gave it away)
でも次の日、君はそれを捨て去った
This year, to save me from tears
今年は、泣かないように
I’ll give it to someone special (Special)
僕は「特別な人」に捧げるつもりだ
[Verse 1]
Once bitten and twice shy
1回めは夢中、2回目は恥ずかしい(注2)
I keep my distance, but you still catch my eye
距離を置いたつもりでも、君のことが気になる(注3)
Tell me, baby, do you recognize me?
教えてくれ、君は僕のことを覚えている?(注4)
Well, it’s been a year, it doesn’t surprise me
まあ、あれから1年、覚えていなくても驚かないけどね(注5)
[Verse 2]
(Happy Christmas) I wrapped it up and sent it
(メリークリスマス)去年はハートを大切にくるんで君に送った(注6)
With a note saying, “I love you”, I meant it
メモに「愛している」と添えて、僕にとって重要なことだから(注7)
Now I know what a fool I’ve been
今ならわかる、なんて愚かだったんだって
But if you kissed me now, I know you’d fool me again
今キスしてくれたら、僕はまた夢中になってしまうだろうな(注8)
[Chorus] – 繰り返し
Last Christmas, I gave you my heart
去年のクリスマス、僕は君にハートを捧げた
But the very next day you gave it away (You gave it away)
でも次の日、君はそれを捨て去った
This year, to save me from tears
今年は、泣かないように
I’ll give it to someone special (Special)
僕は「特別な人」に捧げるつもりだ
Last Christmas, I gave you my heart
去年のクリスマス、僕は君にハートを捧げた
But the very next day you gave it away
でも次の日、君はそれを捨て去った
This year, to save me from tears
今年は、泣かないように
I’ll give it to someone special (Special, oh)
僕は「特別な人」に捧げるつもりだ
Oh, oh, baby
ああ、愛しているよ(注9)
[Verse 3]
A crowded room, friends with tired eyes
混みあった部屋、僕にうんざりの友達(注10)
I’m hiding from you and your soul of ice
僕は君のその氷の心から隠れようとしている
My God, I thought you were someone to rely on
神様、あなたは信頼すべき存在だったはずですよね(注11)
Me? I guess I was a shoulder to cry on
そして僕は?彼女のそばで静かに話を聞いてあげる役だったはず(注12)
[Verse 4]
A face on a lover with a fire in his heart
心で火を燃やして君を愛する男の顔
A man under cover but you tore me apart
隠していたのに君は去年、僕を引き裂いた
Ooh-hoo
ああ
Now I’ve found a real love, you’ll never fool me again
さあ、僕は本当の愛を見つけた、2度と愚か者にはならない(注13)
[Chorus] – 繰り返し
Last Christmas, I gave you my heart
去年のクリスマス、僕は君にハートを捧げた
But the very next day you gave it away (You gave it away)
でも次の日、君はそれを捨て去った
This year, to save me from tears
今年は、泣かないように
I’ll give it to someone special (Special)
僕は「特別な人」に捧げるつもりだ
Last Christmas, I gave you my heart (I gave you my heart)
去年のクリスマス、僕は君にハートを捧げた
But the very next day you gave it away (You gave me away)
でも次の日、君はそれを捨て去った
This year, to save me from tears (Ohh)
今年は、泣かないように
I’ll give it to someone special (Special)
僕は「特別な人」に捧げるつもりだ
[Outro]
A face on a lover with a fire in his heart (I gave you my heart)
心で火を燃やして君を愛する男の顔
A man under cover but you tore him apart
隠していたのに君は去年、僕を引き裂いた
Maybe next year
でもやっぱり、また来年になってしまうかも。。。(注14)
I’ll give it to someone, I’ll give it to someone special
僕は「特別な人」に捧げるつもりだ
Special…
特別な
Someone…
人
■補足説明
(注1)I’ll give it to someone special
someone は「君以外の他の誰か」という解釈もあるかもしれませんが、今回の解釈では一貫して「今年こそ君に再アプローチする」との意思表示としています。したがって訳でいう「特別な人」とは「他の誰でもない君」を指しているとしています。
(注2)bitten
bitten – bite(噛む)の過去分詞。受身形で「熱中させる」「夢中にさせる」という形容詞的な意味があります。
(注3)catch my eye
catch my eye は「目にとまる」「普通でない、興味がある、見目が美しいもの、人に気が向く」という意味です。
(注4)recognize me
recognize me は、「去年会った僕のことを覚えている」と解釈しました。
(注5)it doesn’t surprise me
it は、”if you do not recognize me”(もし君が僕を覚えていなかったとしても)を指す、と解釈しています。
(注6)I wrapped it up
wrapped ~ up は、ただ包装する以上の「くるむ」という意味があるので「大切にくるんで」と訳しました。「何重にも包んで」という意味かもしれません。it は「僕のハート」と解釈しています。
(注7)I meant it
mean は「重要なこと(”I love you”)を指す」と解釈しました。
(注8) if you kissed me now, I know you’d fool me again
(あり得ないことだが)もし君が僕にキスをしてくれたら、君は今年も僕を愚か者にすることになる(といいが、たぶんないかなあ)という意味と解釈しています。いわゆる仮定法過去形です。
(注9)Oh, oh, baby
先にも述べたとおり、この内気な少年は彼女を今年も愛していてアプローチするつもり、と解釈して「愛している」と訳しています。
(注10)friends with tired eyes
tired は、僕がまた今年も「あの」彼女にアプローチして愚か者になるだろうことを予想しているのだが、僕の真剣さにもはや(馬鹿にするよりも)うんざりしている、と解釈しています。
(注11)My God, I thought you were someone to rely on
you は「あの彼女」との解釈もあるかもしれませんが、rely on は「僕の愛に答えてくれると頼る人」と言う使い方はない、と解釈しています。むしろ、自分の頼み事を実現してくれる頼り先/協力先という役割と考え、you は神様、として訳しました。ちなみに rely on は次の節の cry on と韻を踏んでいますよね。
(注12) I guess I was a shoulder to cry on
“a shoulder to cry on” は “someone who listens to you with sympathy when you talk about your problems”(あなたの問題を共感、思いやりをもって聞いてくれる人)という成句です。I was と過去形なのは、彼女への思いが伝わって、彼女にとってそんな存在になっていたはずだったのに、という意味と解釈しました。
(注13)Now I’ve found a real love, you’ll never fool me again
これも「今年こそ、あの彼女にアプローチ」という意思の表れ、と解釈しています。
(注14)Maybe next year
ここまで「今年こそ失敗しないであの彼女のハートをゲット」と意気込んできたのですが、最後に弱気になって「今年もだめかも。。。」という気持ちになってきた、いわば歌詞のオチ(落)と解釈しました。
■Wham!
ジョージ・マイケル(George Michael )とアンドリュー・リッジリー(Andrew Ridgeley)が1980年にロンドンで結成したポップグループ。1982年から1986年の間に30百万枚以上を売り上げ。どうねんだいわかものの不満を表現しているといわれている。
■曲のアイデア
1984年にジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーはジョージ・マイケルの両親を訪ね、マイケルの子供時代の寝室で書いたものです。マイケルは曲のイントロとコーラスの部分を演奏し、リッジリーにとって “a moment of wonder” (奇跡の瞬間)だったと言います。
■曲がどれほど好まれているか
この Last Christmas がチャート1位となったのは、デンマーク、スロベニア、スウェーデン。2位になったのは、 ベルギー、オランダ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ニュージーランド、英国の8か国。Wham! の2人は得たロイヤルティの全額をエチオピアの飢饉のために寄付したとのことです。
2015年にFairytale of New York – The Pogues(ポーグ) に取って代わられるまで、英国で21世紀に最も再生されたクリスマスソングでした。